ダイエットに一番必要なもの

イメージ力

個人的な話ですが、身体を絞ることにしました。

若い選手とスパーリングするのに体重で勝ることで良い練習相手になるという言い訳的考えがあったのですが、トレーナーとして説得力のない太り具合になってきたので。。

ダイエット指導しているとどこか「お前がそれを言う?」みたいな表情をされることもあり。笑

そこで良いタイミングなのでダイエットに一番必要なものについて、まとめようと思います。

ダイエットに一番重要なもの、それはイメージ力です。しかも、ポジティブなイメージよりもネガティブなイメージが重要です。

ある研究の概要を超簡単に述べます。

ペンシルバニア大学 ガブリエーレ・エッティンゲン&トマス・ワッデンの研究

【対象】ある減量プログラムに参加している25名の肥満女性。

【概要】ダイエット開始前、参加者にダイエットに対するイメージを聴取する。
「ダイエット達成後友人に久しぶりに会い、どう振る舞うか?」「目の前に山盛りのドーナツがあったらどう思うか?」など。
これに対して対象者を「成功しおしゃれな服を着て堂々と振る舞っている私」と言うような前向きなイメージを持つポジティブグループ、「途中で誘惑に負けて失敗する」と言うような後ろ向きイメージを持つネガティブグループとに分けた。

【結果】「私は誘惑に負けて他の人の分まで食べてしまうかもしれない」など、ネガティブなイメージを持つグループの方がポジティブグループに比べて11kg多く減量する事に成功した。

ポジティブなイメージの落とし穴

結構驚きな研究結果です。

「ダイエットに成功し、水着を着て男の視線を独り占めしている自分」を強く想像する。これは大切そうに見えて、大きな危険を含んでいます。

分かりやすい例えですが、僕は資格勉強する際に参考書を買うと、それで満足してしまいます。テストに受かった自分が強くイメージされ、脳みそが「もう受かった」と満足してしまい、行動しなくなるためです。

ダイエットも同じで、「ダイエット成功後の自分」をイメージするだけでは脳みそが「もう成功した」と勘違いし、満足し、ダイエット中に起こり得るリスクに対する対策を考えなくなるのです。

つまり途中で美味しそうなドーナツが目の前にあったら、脳みそはもう成功を体験した状態なので、「ま、これくらい平気か」と食べてしまう。それが続くともちろん失敗しますよね。

「引き寄せの法則」の陥りやすいポイントでもあると考えます。

失敗するかも!?ネガティブなイメージ力の重要性

大切なのはポジティブとネガティブのバランスです。将来の自分に対してポジティブに楽観的に、起こり得る障害に対してはネガティブに考える。

ダイエットに関していえば、将来、痩せてモテている自分など、成功した姿を楽しく楽観的にイメージする。
ただし、友達と遊んでいるときにドーナツを目の前にした、と言うような起こり得る障害、トラップに対しては具体的に、現実的に考える、対策を考える

こう言った二重思考が成功確率を上げる、と過去の研究から証明されています。

トレーニング例

ダイエット開始前にどうイメージすれば良いのか、例を用いて実際に考えていきましょう。

【職業】夜のお店で働いている女性

【目標】夏に水着撮影があるため6kg痩せる

【生活歴】昼と夜のお仕事の両立をしている。昼はデスクワークで同僚とご飯を食べることも多い。夜はお酒を、たまにアフターでお客さんと深夜に食事もあり。キックボクシングとダイエットに対するモチベーションは非常に高いが、ストイック過ぎてストレスを溜めやすい側面もある。

この方と一緒にダイエットの二重思考を考えると以下になります。

【ポジティブ面】
①夏には綺麗なお腹で水着を着れる。
②写真も綺麗に撮れてお客さんがたくさんつく。
③好きな服をおしゃれに着れて、自分にも自信がつく。

【ネガティブ面と対応策】
アフターでご飯に行かなきゃいけない
➡︎ダイエットしている事を伝える。焼肉や重めの味噌チゲ鍋よりも、和食屋さんで野菜の小皿料理をゆっくり食べる、海鮮屋さんで刺身をちょこっと食べる。

甘いものが無性に食べたくなる
➡︎チロルチョコ(約60kcal)を一個だけ食べる。

モチベーションが下がる、もういいやと思う
➡︎ダイエットに失敗しお腹が出たまま写真撮影に臨む場面を想像する(ネガティブ思考を利用する)。成功した後の生活を妄想する(ポジティブ思考を利用する)。夏までと言う期限がある事を認識する。今それを食べる事と、太ったままの自分でいる事を天秤にかける。トレーナーに相談する。

好きなものが食べられないストレスで辛くなる
➡︎何を食べてはいけないか、よりも何なら食べていいか、を考える。甘いものも少しなら良いんだ、と考える。

まとめ

世の中には色々なダイエットが溢れかえっていますが、単純に消費カロリーよりも摂取カロリーを減らせば痩せます。

一番難しいのは、腹減ってる時に美味しそうな物が目の前に現れた時の対処法であって、それを事前に考えておくと言う事が大切です。

私が現役キックボクサーの時は、前日計量に失格したら違約金が発生したので、「失敗して破産する自分」と言う超ネガティブイメージが強く、そうなってたまるかと言う信念のおかげで目の前のパンケーキを我慢出来ていました。

事前に理論武装して、一緒に夏に向けて絞っていきましょう!