HIIT×キックボクシング

HIITとは

HIIT(高強度インターバルトレーニング)とは、数十秒の高強度の運動と、数十秒のインターバルのセットを繰り返し行うトレーニング方法で、考え方自体は1930年代からあるものですが近年、熱を浴びてきております。ちなみにヒートとかヒットとか呼ばれています。
一番の特徴としては「短時間で最大酸素摂取量を必要とする有酸素運動を行うことができる。」「有酸素運動を行いながら無酸素運動も行うことができる。」という点だと考えます。

言い換えると「短時間で持久力がつきつつ、筋トレにもなるんだよ!」ということです。

今回はHIITでも代表的なトレーニング方法であるタバタトレーニングについて簡単に解説します。

タバタトレーニングとは

1996年に田畑泉先生が論文で発表したトレーニング方法です。
アメリカのトレーニング業界ではイチローと同じくらい有名らしい。。

内容は、①「もう無理!」っていうぐらい疲労困憊になるまで自分を追い込む強度の運動を20秒間行う。
    ②10秒休む。
    ③ ①と②のセットを6~8回繰り返す。

これだけです。簡単じゃーんと思われるかもしれませんが、当ジムの会員さんは、HIITの後はしばらく動けないくらいの状態になられます。

まず簡単に無酸素運動と有酸素運動について

【避けて通れない】簡単に無酸素運動と有酸素運動についてめっちゃかみ砕いて説明いたします。

人が運動を行うためには筋肉が動く必要があります。筋肉が動くためにはエネルギーが必要です。このエネルギーの補給源は大きく分けて2つあります。①筋肉内にあるエネルギー ②体脂肪内にあるエネルギーです。

①筋肉内にあるエネルギーは、運動開始時や高強度運動時(ベンチプレスなど筋トレ)の短時間運動時に使用され、この運動は酸素を使わないため無酸素運動と呼ばれております。これを行うと筋肥大が生じ、マッチョの皆さんはこれを中心に行います。

②体脂肪内にあるエネルギーは低~中強度運動時(ランニングなど)に使用され、長時間にも対応でき、この運動は酸素を使用するため有酸素運動と呼ばれております。マラソンランナーなど持久力系はこちらを中心に行います。

究極の有酸素性トレーニング

さきほど説明したように、体脂肪内にあるエネルギーを使用する際に酸素を取り込む必要がありますが、タバタトレーニングを行うことで、一回で取り込む酸素量が(他運動に比べて)短時間で最大限に達することが分かっています。
簡単にいうと、運動時に取り込める最大の酸素量(=最大酸素摂取量)が短時間で向上していくということです。

だからなんだ、と思われるかもしれませんが、最大酸素摂取量が向上すると、様々な良いことがあります。その最もたるものとして、「持久力の向上」があげられます。たくさん酸素を取り込むことが出来れば、それだけエネルギーをたくさん使える、つまり体力がつく。

体力がつくと、糖尿病などの生活習慣病のリスク軽減や疲れのない毎日を送ることが出来ます。たった4分のトレーニングで!これらの理由からタバタトレーニングは「究極の有酸素性トレーニング」と呼ばれております。

無酸素性トレーニングにもなる

ランニングなどの通常の有酸素運動では、無酸素系のエネルギー代謝はあまり使用されなく、多くのマッチョは「筋肥大にならないからNO」としています。しかし!タバタトレーニングは短時間で高強度という無酸素性トレーニングで構成されているため筋肥大にも効果があると期待されています。※反対意見もあり。

痩せるの?

多分一番気になっている部分だと思います。結論は、「トータルで考えて痩せます」。

田畑先生は、トレーニングは短時間なので脂肪はそれほど燃焼せず、ダイエット効果は期待できないと断言しています。そういう研究結果もないらしいです。しかし、副次的な結果として体重が減ることはある、とも述べています。この「副次的」について少し話します。

実は、運動終了後もカロリーが多く消費し続けることが証明されており、これをアフターバーン効果と言います。HIITはこのアフターバーン効果が他有酸素運動に比べて高いとされています。つまり、運動中よりも運動後の脂肪燃焼がアツい!

また、日常的に酸素消費量が増えるということは、それだけ脂肪燃焼の多い毎日を送ることが出来るということで、痩せやすい身体づくりが短時間で行えるということが分かります。

また筋肉量も増大するので、筋肉によるエネルギー消費量が増大し、寝ているときのカロリー消費が増えます。

他にもこういうのがあるよ!などあったら教えてください。

キックボクシングとの相性が抜群

実はこの「短時間高強度+短時間インターバル×数セット」という形式はキックボクシング(やっぱり出してきた)と全く一緒です。

普通は「3分打ち合い+1分インターバル×3ラウンド」ですが、これを知った時、「だからキックボクサーは細マッチョで体力がすごいのか」と思いました。当ジムではよりHIITに近い形式でトレーニングしております。

HIITやるならキックボクシングジム!!

注意点

タバタトレーニングは短時間ですが、怪我の予防のために、前後に10分ほどのウォーミングアップとクーリングダウンを取り入れる必要があり、全体で30分くらいかかります。

また疲労困憊の運動強度とは、それだけ心拍数もあがるので、内科的疾患のある方は主治医に相談が必要です。血圧もかなりあがります。

毎日せず、週に2~3回くらいでいいとされています。強い筋肉痛がある中で毎日行うことは逆効果になります。

筋肥大のみが目的ならがっつり無酸素性トレーニングのほうがいいと自分は考えております。あくまで有酸素性トレーニングと無酸素性トレーニングの両面を補えるトレーニングであり、ゴリマッチョででかい身体を作りたいならトレーニング中の有酸素性は邪魔になってくると思います。当ジムでも会員さんの目的によってはHIITを行いません。

まとめ

こと運動分野に関して、日々新しい研究がなされており、昨日まで白だったものが黒になることも多々あります。

様々な情報を調べる中で、「HIITはすごい」がある中、「HIITは効果なし!」もあります。こういう時なにを判断基準にするかというと、最新で信用度の高い研究結果を把握することはもちろんですが、それと同じくらい実際にトレーニングを行った人が「こりゃいいや!」と実感するかどうかが大切かなと思います。なので実際に適切な指導者のもと、または正しい手順を把握したうえで、ぜひ実際に体験していただけたらと思います。

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