マインドフルネス×キックボクシング

マインドフルネスとは

マインドフルネスの語義とは、
「今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること」
とWikipediaに書いてあります。

簡単に言いかえると「頭の雑念をはらい、今ここに集中すること」。

インダス文明の遺跡「モヘンジョ=ダロ」から瞑想している人が描かれた出土品が出てくるくらい歴史が長く、紀元前2500年からある考え方。お釈迦様は紀元前500年くらいなので、お釈迦様もきっと「古くからある基本的な考え方だよね」と思われたはずです。

SNS隆盛のこの時代、起きている時間の多くをスマホを眺めて過ごしている方も多いのではないでしょうか
(僕もです)。

昨日あった嫌なこと「人前で転んじゃった」、明日起こるかもしれない不安なこと「電車が遅延して遅刻するかも」、それに加えてSNS上で発信されている他人の楽しそうな情報、不要な大量の広告と、人の頭の許容量をオーバーした情報量を無理やり処理しようとするとストレスとなり、うつ病を始めとした心を病む原因につながります。

過去はもう存在しないし、未来はまだ来ていないので同じく存在しない。あるのは「」であり、あっちそっちではなく「ここ」。余計な情報を遮断し、今の自分をただ観察することがマインドフルネスの考え方だと僕は理解しています。

マインドフルネスを実践したら何かいいことあるんかい

アドラー心理学の言葉を借りると、「悩みの100%は人間関係」とあります。上で挙げた例も「転んだ時、人に変な風に思われて嫌だった」、「電車が遅延、会社に遅刻して上司に怒られたら嫌だ」と言いかえることができ、全て対人関係に帰結するようです。

しかしその対人関係の悩みもあくまで自分の頭に日々無数に浮かぶ事象の一つに過ぎず、「カレー屋さん出来てる」とか「信号長いな」と言ったものと同じで自分の外で起こったことに反応して、自分の脳みそが作り出したこと。実は、今ここにいる自分はただ呼吸しているだけ、歩いているだけなのに。

ワーウィック大学(たぶんイギリス)とデンバー大学(たぶんアメリカ)の研究結果が面白いです。

人が幸福であることの条件は「目の前のことに集中していること」「心が穏やかであること」。お金や地位ではなく、この2つ。

マインドフルネスの実践により、「今この瞬間」に意識を向け集中することで、過去や未来の不安、対人関係の悩みが実は自分が作った妄想であると実感でき、払拭され、心が穏やかになります。

これにより「幸福とは身の回りの環境がどうこうではなく、考え方次第で誰でも味わえるものなのではないか。」ということがなんとなく分かります。

マインドフルネスと暝想

座禅でも正座でも、椅子に座ってでも良いです。

肩の力を抜いて、背筋を少しのばす。大きく鼻から息を吸い、ゆっくり鼻か口から時間をかけて吐き出す。

この時、頭の中では呼吸の音に集中します(音が徐々に小さくなるところとか)。雑念が入ったら、「今こういうこと考えてるな」とそのまま受け入れ観察し、また呼吸音に集中し直します。

まずは3分。かなり長いです。一日の中で確か合計30〜40分やれれば良いみたいですが、大変なのでまずは3分から。

僕は会社のトイレの個室で、待ち人がいない時にやっています。

マインドフルネスとキックボクシング

やっと本題だ〜!!

暝想はオススメですが難しい。すぐに雑念が入ってきてしまう。あと人により捉え方、感じ方が違っても外からじゃ目瞑ってぼーっとしているだけなので正しい暝想なのか分かりにくい部分がありますよね。

そこでキックボクシングなんですよ。ボクシングではなく、「キック」ボクシング 。

カルフォルニア大学の研究結果ですが、簡単にいうと格闘技を行なっている子供は心が穏やかになる、というものがあります。研究者いわく「格闘技は脳の実行機能に良い影響を与え人格の向上に役立つ」とのことでした(ふーん)。

つまり格闘技はマインドフルネスの実践に役立つ事がなんとなく分かります。なぜ格闘技(キックボクシング )はマインドフルネスの実践に繋がり、精神を穏やかにするのでしょうか。3つ挙げます。

ミッドを打っている間は目の前のことに集中せざるを得ない

ミッド打ちはトレーナーの持つミッドに向けて、指示通りに、パンチやキックを全力で繰り出すことです。技は30種以上あり、コンビネーションも合わせると無数にあります。2〜3分間、休みなく技を繰り出します。トレーナーからの攻撃を対処する必要もあるので違うことを考えてたら痛い思いをしてしまうことも、、。

「無数にあるパターンの攻撃」を「休みなく」、「全力で」、「相手の攻撃に対処しながら」繰り出す。

このようにネガティブなことを考える隙がなく、目の前のことに集中せざるを得ない状況を作る事ができ、結果として雑念を払拭する練習になるという点が、精神を穏やかにできる原因の一つであり、またマインドフルネスにつながるポイントであると考えております。

太古からある本能的な動作であるが、現代は封印している能力である

初めてキックボクシングを行う方の、最初の目標として掲げる事が多いのが、「全力でパンチできる事」です。

本来、パンチやキックは牙や頑丈な爪を持たない人間にとって生きる上で必要な動作であったと思います。集団の中での権力争いや狩猟の一つの手段として。しかし今の時代、人を殴ったらいけないですし、基本封印している能力です。

なのでパンチを全力で打つということは難しいのです。どうしても遠慮してしまう。

キックボクシング では、その封印されし能力を解放する事ができます。

今まで使用していなかった本能的な能力を解放する事で、脳みそが覚醒し、集中力が向上し、これも目の前のことに集中することに繋がっていると私は勝手に考えています。

身体のバランスをとることに脳みそを使う必要がある

キックボクシングはキックがあります。キックする際、片足で体重を支えつつ、バランスをとる必要があり、脳みその複雑な制御が必要です。今この瞬間、自分の身体がどのような格好をとり、どうバランスをとる必要があるのか、こういった自分の中に意識を自然と向ける事が、キックボクシングでは可能です(同じ理由で木登りがメンタルヘルスに効果があるという報告もあります)。

今この瞬間の自分に意識を向ける、マインドフルネスの考え方と繋がる部分であります。結果として余計な物事が頭に入ってくる事がなくなり、心の穏やかさに繋がります。

まとめ

以上の理由からキックボクシングはマインドフルネスの実践に役立つと考えております。

実際に上手い人がミッドを持ち、私が叩いていると、なんとも言えない没入感を感じる事が多々あります。

もし暝想やヨガとは一味違った感覚を味わいたいなら、是非オススメです!!

マインドフルネスならg-kick Sapporo!!