現在、札幌には数多くのパーソナルトレーニングジムがあり、1回あたり大体1万〜2万円が相場となっております。

当ジムはそれに比べてかなり低価格ですが、その理由は前提として営利を目的としない、福祉の考えが理念としてあるためです。ご理解いただく上で、私がどういった人間であるかを知っていただく必要があるかと思います。長いのでもし暇だ〜って時があったらどうぞ読んでみてください。

臨床の中で陥った自己否定感

私が理学療法士として勤め始める数年前に、「理学療法士の代わりに看護師さん達がリハビリをしても患者さんは同じように回復する」と国が判断し、看護師さんはじめリハビリ専門職以外のスタッフでもリハビリ業務を行いお金をもらうことが出来るようになりました。

悲しい改正ですが、私も国と同じ考えでした。理学療法士がプランを考え、後は他医療スタッフが実践しても結果は変わらないと考えていました。

自分のリハビリに自信が無かったと言う事です。

名のある理学療法士達が主催する色んな勉強会に行き、毎回参加者の前で実際に治療をしていただくのですが、「うーん、よく分からないな。」と思いつつもその場の同調圧力に屈して「なんか腰が楽になりました。」と嘘をついていました。あの場で「全然変わりません。」と言っていたらとんでもない空気になっていたんだろうな〜というのだけは確実に分かります。

私が治療効果を実感できないなら、知覚機能が低下している高齢者はもっと分からないはず。でも私を含む、ごく一部の理学療法士は自信満々に独自の手技やテクニックを使い、自然治癒を自分のおかげと考え、白衣に袖を通さずに着ている。
※ほとんどの理学療法士はそのリスクを知っているからこそ日々勉強を重ねています。白衣もきちんと着ています。

20代中頃から段々と自分の仕事が詐欺師のように思えてきて、患者さんに「ありがとう」と言われるたびに罪悪感を感じ、徐々に気分が落ち込んでいきました。また同時期に当時の彼女にフラれ、それも自信の喪失となってしまいました。

「自分はとても能力の低い人間だ。この先ずっと治療もどきをしていくのだろう。そして一生幸せにはなれないに決まっている。」と言う思念が頭から離れなくなりました。夜眠れなくなり、何を食べても美味しくなくなり、楽さを感じなくなりました。朝、職場のトイレで指を喉に当てて、嘔気を自ら促すのがモーニングルーティーンでした。少しスッキリするんですよね。仕事以外は土日もベットで過ごし、発作的に生じる不安で胸が苦しく、しんどかったです。

キックを始めて変わった自分

そんなまずい状態のある日、何を思ったか自分が担当させていただいていた80代くらいの女性の患者さんに、自分の状態を相談してしまいました。
プロ失格です。。ですがその時の、あの方の言葉は今の自分に直接繋がっています。

心の根っこを暖めるような笑顔で、「若いって美しいわね。何か新しいことを始めなさい。」と、一言だけ。

新しいこと。なんにもしたく無かったのですが、眠剤により鈍った頭をベットで無理やり働かせ、何か興味のあることは無いかなと考えました。ふと、大晦日にボブサップがアーネストホースト相手に勝利したK-1の試合を思い出し、「キックボクシング。」と考えました。鉛のように重い身体を持ち上げ、でもなんとなくの期待を胸に抱いて近所のジムに行きました。

やるからには自分を変えてみたいと思い、その場で入会、深く考えずプロコースを選びました。

最初はサンドバックを元カノの顔に見立てたりして、憎しみパンチと悲しみキックを繰り返していました。週5で通い続けました。

「ベチャリ」と言うブサイクなパンチ音が「スパンッ」と言う子気味の良い音に変わってきたある日、常に頭に鎮座していたネガティブな思念が消えていることに気づきました。不思議でした。

またスパーリング中、鼻に膝蹴りをくらったり、つま先前蹴りで目を刺されそうになったりと、徐々に優しい先輩方のSな部分が見え隠れしてきた頃、
練習後の自転車で帰宅している時に、全ての人にハグしたくなるような幸福感を度々、体感するようになりました。

それから試合にも出場させていただくようになるにつれ、全く関係ない仕事をしている時もなぜか自信を持てるようになったり、今のそのままの自分を好きになれるようになりました。「リハビリ技術は低いけど、私のジョークで患者さんに笑ってもらえた。とりあえず良し。」みたいな。失敗に対しての恐怖感も薄らぎ、「何かあってもなんとかなるから大丈夫だな。」と実感できるようになりました。

そこから今までずっと調子がいいかと言われると、まぁ人生山あり谷あり、そういう訳でもありませんでした。しかし、キックボクシングで得た経験や考え方は、今の自分の大きな支えとなっており、精神的にも安定した毎日を送ることが出来ております。

キックから得られる効果

この文章を読んでおられる方の中には、キックボクシングがうつ病の改善に効果があると言うニュースを目にしたり、実際に精神科の運動療法として使われているケースをご存知の方がいらっしゃるかもしれません。

うつ病の改善につながるきっかけは本当に人それぞれであり「服薬」「自然治癒」「森の中の散歩」「日記」「瞑想」「認知行動療法」「引越しや転職」と、例をあげたらキリがないですし、私も色々試して効果を得た経験があります。合う合わないがあります。その上で、私個人の体験で言えば、キックボクシングがもっとも自分に効果があったと確信しております。

理由としては研究結果がたくさんあり別の機会に書いてみようと思いますが、一番の理由はサンドバックを叩いていると目の前のことに集中できることだと思います。パンチやキックといった原始人の時から行なってきたであろう、ある意味本能的であり、また現代社会では眠らせている能力をフルに使うからだと勝手に考えています。

目の前のことに集中できるということは他の嫌なことが頭に入ってこないということ。自己批判や不幸な思いこみが入る隙がなくなり、それが習慣化されると日常で落ち込むことが減り、自分を好きになれます。またトレーナーが熟練した人だと練習前後でパンチの音が変わるくらい上達します。成長が感じやすいので達成感や充実感が得られやすく、単純に強くなるので度胸がつき、さらに自分を好きになれることに繋がります。

不思議かもしれませんが、全く関係ないはずの日中の仕事や生活にもいい影響を与えてくれるはずです。「会社から評価されていないけど、一緒の墓に入る訳じゃないから良し。」「周りの人に嫌われているけど、私はユニークなだけだし納税もしているから良し。」といったように自己受容・自己肯定感が日常生活場面でしっかり反映されていきます。

試合に出場することや激しいスパーリングを行うことは重要ではありません。パンチキックという運動を通して無心になり自分を解放すること、そして少しづつ着実に上達しているという感覚を肌で実感できることが大切と考えます。

「自分を変えてみたい」方々とキックを通して交流したい

これらの経験の中で、自分はキックボクシングや今まで関わってくださった方々に感謝し、同じように心がしんどい状況にある方達と、キックボクシングを通して交流が出来たら、それは自分にとって幸せだなと考えています。エゴだと思われるかもしれませんが。。

また、もちろんですが、ダイエットしたい、イライラを解消したい、強くなりたい、と思っている方も、「自分を変えてみたい」という部分は共通しており、その願いをサポート出来たら、それは自分にとって何よりの幸せです。

以上のことから、「自分を変えてみたい」という様々な方とキックボクシング を通して関わりたいと私は願っており、自分の望むようなジムの形にするためには、高い金額を払っていただくのは理念に反しています。なので、必要最低限かかる費用だけいただき、キックボクシング を楽しんで、理想とする自分に近づく感覚を肌で味わっていただけたらと考えております。

安いから質悪いんじゃない〜?と思われるかもしれませんが、ご安心ください。ダイエットやトレーニングに関しての最新の研究結果を日々調べ、その中でエビデンスの高いものだけを組み合わせてメニューを作成しております。個人のトレーナーとしてダイエットに導いた成功率も他パーソナルジムに劣っていないと自負しております。

ダラダラと長くなりまして本当に申し訳ありません。以上が、当ジムが営利を目的としない理由です。10行くらいにしようと書き始めたら当時を思い出して熱が入ってしまってこんなになってしまいました。

近いうちに、皆様にお会いでき、キックボクシング を通して交流できることを心から楽しみにしております。

ここまで付き合っていただき本当にありがとうございました。